天吹:資料

①大田良一氏が製作し今村貞治氏に贈呈。それを白尾國利氏がもらい受ける。

②同じく大田良一氏製作、木佐木有孝氏所有。その後白尾國利氏所有。

③~⑤、国分荒田家旧蔵。その後白尾國利氏所有。

⑥白尾國利氏製作。氏の愛管

①大田良一(号忠正)花押
裏面一節下
⑥白尾國利「径山作」の焼印
裏面三節下裏孔左

 

日置市教育委員会蔵 元治二年銘

 

 

日置市教育委員会所蔵の伝「小松帯刀」作。資料館職員の説明によると、平成17年、鹿児島県日置市に吸収・合併された旧日吉町郷土館に保存されていた日置島津家家中に伝来した資料群の中にこの資料も含まれていたとのことであった。

全長は288mm、姿は僅かに反り、断面はほぼ円に近い。第1~2節間裏面に「京都御花畑ニ而 造之 寺前氏 主」第2~3節間裏面に「元治二年 巳 二月廿五日」と刻書されている。歌口と管尻に集中して虫害があり、実際に吹くことはできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③国分荒田家旧蔵 安政七年

 

 

 

全長は294mm、姿は僅かに反り、断面はほぼ円形を呈する。第1~3節間に刃物、あるいは釘状のもので様々な文字が刻まれている。その中に、「安政七年申二月十三日求之也」の文字が確認できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

④国分荒田家旧蔵 

 

 

全長は285mm第2~3節間に朱漆にて「卯 八月十三日」と筆にて記してある。部分的に経年による剥離が見受けられる。

管尻部分が二段に切り分けて製作されている。段を作った後、その断面を保護するため、あるいは装飾的な意図において朱漆を塗布してある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑤国分荒田家旧蔵 安永十年

全長は247mm、姿は極僅かに反り、断面は僅かに楕円形である。管尻は斜めに切り落とし、段差を作るなど通常の形と異なっている。

各節に刃物、あるいは釘状のもので多数の文字や記号が刻まれている。

天明6年の銘ははっきり読み取れる。「安永十」であろうと読み取れる文字もあり、とすると1781年であり、発見された天吹の中でもっとも古いものである。

 

第1節右側面。「天明六」の文字が見える。